介護業界の人材不足はかねてより深刻だ。
特に訪問介護の世界においては若い人がほとんど関心を示さず、スタッフの平均年齢が高くなっていることが問題視されている。
訪問介護の世界では50歳以上のスタッフの割合が半数以上を占める異常事態に陥っているのだ。
また、60歳以上のスタッフの割合を見ても、30%以上と非常に高い数字になっている。
つまり、高齢者を高齢者が介護している状況が発生しているのだ。
これは業界全体にとっては由々しき問題だが、求職者にとってはチャンスかもしれない。
介護業界においては30代の人でも若手と称されることが多い。
訪問介護の世界なら、40代でもまだまだ若い方だろう。
そのため、他の業界で転職に失敗をしていても、介護の世界でなら若い人材として重宝してもらえる可能性があるということだ。
たとえば、30歳を過ぎてリストラに遭った人でも、介護の世界でならまた一からスタートを切ることができるのである。
介護業界は、スタッフの年齢層が高いがゆえに、他の業界では考えられないほど人材の受け入れ態勢には積極的だ。
しかも、介護福祉士の国家試験に合格すれば、業界内での存在感も高まる。
スタートが人より10年遅くても、順調に経験を積んで資格を取得していけば、若いうちから頑張ってきた人たちに追いつくことはできるのだ。
日本ではこうした業界は限られている。
だからこそ、30歳を過ぎてから転職を考えるのであれば、介護業界のようなところが狙いめなのだ。
しかも、介護業界は成長産業という位置付けがなされているため、将来的にも仕事量が減る可能性は薄いだろう。